𠮟られるかもしれない俳句講座① 大阪公立大学俳句同好会
はじめに
こんにちは。大阪公立大学俳句同好会です。
この記事は俳句に興味があるが全くの初心者だという方々に向けた記事で,普段は無季俳句を詠んでいる異端が普通の俳句の詠み方を紹介したものです。
なので,俳句に親しみのある方がお読みになると気分を害する箇所があるかもしれません。
どうか見逃して下さい。
俳句の基礎知識
早速ですが,俳句の基礎をできるだけ分かりやすく箇条書きします。
なるべく基礎的なことからになるように並べます。
・基本は五・七・五でリズムよく
・季語は一語入れる
(2語入れることもできるが主役が曖昧になる)
・「ー(長音)」と「っ(促音)」は一文字
・「ぁぃぅぇぉゃゅょ」は前の字と合わせて一文字
・切れ字「や・かな・けり」などは強調・詠嘆
・季語のことだけで成立させる俳句
=「一物仕立て」(難しい)
・季語以外の要素も詠む俳句
=「取り合わせ」(ほとんどの俳句)
・「うれしい」など感情を表す言葉は使わない
こんな感じです。この記事では切れ字についてはほとんど触れません。使いたい人は使ってみてください。古文をしたことがあったり,俳句を鑑賞したことがあったりするならば,割と使えると思います。
これらに注意しながら俳句を詠んでみましょう。
俳句を詠む
ここからは様々な俳句の詠み方の一つを例とともに紹介します。
型にはめて詠むのは創作している感じがしないと思う方もいると思います。
しかし、型にはめただけで失われる感性や創造性など無いに等しいので気にしなくていいと思います。
圧倒的な感性で読む人をわからせるつもりで詠んでみてください。
また,一度詠んでしまえば俳句に対するハードルが下がるという理由からも詠んでみることをおすすめします。
①下五を決める ー普通名詞かつ物体が○ー
さっそく,下五から詠んでいきます。
先に決めることで下五を修飾する中七を決めやすくなります。(今回の詠み方では)
下五は普通名詞かつ大きすぎない物体がいいです。
そうすることで情景を映像化しやすくなります。
ここで下五に季語をいれてもいいですが,上五で季語を使った方が季語のもつ雰囲気などを生かしやすく,また詠みやすいです。
例:炊飯器
②中七を決める ー下五を修飾するー
次に,中七を決めます。
中七は先ほど決めた下五を修飾します。
ここで個性を出せると良い感じです。
季語が入らないようにだけ気をつけてください。
例:二合は炊ける
③上五を決める ー季語で雰囲気を出すー
下五,中七ときて,上五を決めます。
上五では五音の季語を選びます。
季語は歳時記(季語の辞典みたいなもの)で探すといいですが,なくてもネットで季語を探すことができます。
選ぶときは,既にできている十二音と相性の良い季語を選びます。
もちろん,周りの景色を参考にした場合は,景色の中にある季語を使ってもいいと思います。
ここの組み合わせで句の雰囲気が決まります。
例:春の宵
④いい感じに整える
最後に,いい感じに整えます。
注意点は以下の通りです。
・季語は適切か
=季語の意味などを正しく捉えられているか
・意味が重複している箇所はないか
・五感を意識できているか
↑難しいが出来れば情景を豊かに表現できる
とりあえずこの3つを意識して調整してください。
例(完成):春の宵二合は炊ける炊飯器
あとがき:詠んだ句を手に俳句同好会へ来て欲しい
今回は簡単な俳句の詠み方を紹介しましたが,詠めましたでしょうか。
詠めたならば,例のよりはうまく詠めていると思います。多分。なので,その句を己の中にしまっておくのは勿体ないです。
その句をぜひとも俳句同好会に披露してください。俳句同好会では同好会に入らなくても参加できる句会も予定しています。
また,Twitterで詠んだ句を見せて頂けると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献(一応)
夏井いつき『夏井いつきの世界ー分かりやすい俳句の授業』株式会社PHP研究所,2018年